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since 2002.10.14

3-03.曲を決め練習を進める

曲目を決める

 

 曲目の決め方は団体により様々かと思います。講師の先生から与えられている課題曲を使用したり、候補曲を募集し多数決にしたり、学校の部活であれば最終学年の希望曲を優先させたり。曲の探し方としては、楽譜集から探す、楽譜出版社のサイトで探す、他団体の演奏会やwebで探す等があります。


 検討の際は以下に注意が必要です。

  • 所属員の編成や実力に見合った曲か(本番まで何回練習ができるか考える)
  • 新たに編曲する場合、編曲が可能か
  • 全曲合わせた演奏時間に問題が無いか(特に時間に制限がある場合)
  • 特定の分野に偏った選曲ではないか(テーマが決められた演奏会は別)
  • 観客のニーズに合致した選曲か

自前で編曲する際、楽譜をきれいに仕上げるためにはこちらをご覧ください!

楽譜のおさほう

曲順を決める


 曲順については曲目決定時に併せて決めてしまう方法と、ある程度練習が進んで雰囲気がつかめた時点で行う方法とがあります。
 同じジャンルをまとめて曲間のつながりを良くする曲順もあれば、明るい曲・暗めの曲、早い曲・遅い曲などを適度に織りまぜて、飽きさせないようにする曲順もあります。

権利関係の処理をする


 多くの場合、他者により作曲・編曲された楽曲を演奏させて頂くという立場であるため、権利関係について適切な処理を行う必要があります。なお原則として著作者の死後50年を超えた楽曲については著作者の保護対象外となるため、クラシックの演奏会などでは手続きが不要なこともあります。以下では演奏権についての説明をします。


 まず非営利・無料・無報酬の演奏会の場合、著作権法第38条の規定により権利者の許諾を得ることなく演奏ができるとされていますので、特に手続きは必要ありません


 有料の演奏会の場合、JASRACサイトのJ-WIDシステムを使用し各曲がJASRAC管理作品かを調べます。管理作品であればサイト上からも簡単に手続きができます。使用料は入場料収入のおおむね4%程度ですが、計算式も含め詳細はJASRACのサイトをご覧ください。


 なお近年はJASRAC以外にもイーライセンスなど別の著作権管理団体が出てきているため、J-WIDで調べJASRAC管理外だった場合は調べてみる必要があります。また一部のゲーム音楽のように、メーカーが使用に関するガイドラインを提示していたり、個別問い合わせで対応としていたりする場合もあります。

練習状況を確認する

 

 練習する曲の優先順位をつけるため、ある程度練習が進んだら一度全曲通しでやってみる等して各曲の練習状況を確認します。例えば、難易度の高い曲に没頭するあまり、直前まで手がつけられてない曲が出てくるようなことが無いようにします。また必要に応じて、講師の先生を呼んだり、臨時練習を設定したりします。

 

最終的に演奏を確認する

 

 ゲネプロ前になったら最終的に演奏を確認する段階となります。なおゲネプロではむしろ入退場や司会など演出部分の確認といった意味合いが強いため、演奏自体の確認はゲネプロ前にしておきます。


 特に、いつも間違えてしまう個所がある場合、オクターブを下げたり(上げたり)、いっそのことその部分を休みにしたりします。もちろん楽譜通り演奏できた方がいいのですが、「観客は楽譜を持って演奏を聴いているわけではない」のです。もし本番でも失敗することが予想され、かつ本番までの練習で対応できないようなら、思い切って楽譜を変えるというのも一つの手段になります。


その他、以下のような場合はそれぞれ対応が必要です。

  • シャープ・フラットを落とす →楽譜に色ペン等で書き込む
  • テンポが定まらない →本番テンポを数字で明示し周知する

 

本番では見られ方を気にする


 目を閉じて聴く観客は少なく、たいていの観客は奏者を見ながら聴いています。練習時はどうしても音に注意が行きますが、本番では音と同じくらい演奏する姿、すなわち見られ方を気にする必要があります。例として2つ挙げます。

 

  • 楽譜ではなく指揮者・お互いを見る

 楽譜だけをじっと見ている奏者は、観客からはあまり見栄えがよくありませんし、アンサンブルも合いにくくなります。楽譜はできるだけ覚えておいて、奏者は指揮者もしくはお互いを見合えると良いでしょう。といっても無駄にキョロキョロするのではなく、演奏上「ここはこの人と動きが一緒だから揃えたい」という所でその人の動きを見るといいでしょう。

  • (本番では)間違えても気にしない

 前述の通り「観客は楽譜を持って演奏を聴いているわけではない」ということは意識しておく必要があります。別に誰が楽譜通り吹けなかろうと大多数の観客にとっては分からないことです。それよりも「間違えてしまった!」とヘンにリアクションを取ってしまう奏者の方がよほど目立ちます。よって本番時に間違えたら「こういう曲なんです」とむしろ自信を持たせておくくらいの方がいいかもしれません。