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since 2002.10.14

1-05.報連相・審議を行う

コミュニケーションの4区分

 

 多くの人が関わる団体運営においては、お互いコミュニケーションを確実に行う必要があります。その手段としてよく「報連相(ホウレンソウ)」と言われますが、それに「審議」を加えた4区分を以下に挙げます。

 

  1. 報告:状況等を伝える
     相手に自分の仕事の状況等を伝えます。相互に報告し合うことで、自分の担当でない仕事が今どうなっているかを把握することができます。
  2. 連絡:物事をお願いする
     具体的に動いて欲しい事柄について、相手にお願いをします。
  3. 相談:意見を求める
     相手に意見を求め判断の材料としたり、新たなアイデアを生み出したりします。
  4. 審議:意志決定を行う
     全体としての意志決定をします。


 以上の4区分を意識することは、コミュニケーションの効率化・実質化のために重要です。例えば会議の中で「報告」をしていたつもりがいつの間にか何か「相談」をしていたというケースはよくありますが、これは会議の時間を長くする要因となります。この事項については「報告」をし、この事項について「相談」する、というように意識して分けて考える必要があります。


 このために例えば、会議のレジュメやメールの件名に「【連絡】練習の集合時間について」などと接頭辞を必ず入れるルールにするという方法があります。

会議を行う


 4区分に分かれたコミュニケーションを行う、その基本的な手段は「会議」です。その出席者は所属員全員であったり、特定の委員のみであったりしますが、出席者同士で報連相・審議を行うことができる場が会議となります。


 会議は以下の段階を踏み実施します。

  1. 開催告知
     日時と場所を出席対象者に告知します。練習に熱が入ると会議はおろそかにされがちですが、定例で必ず行うようにします。また会議場所の確保も必要です。
  2. レジュメ・議題資料作成
     会議の時間は限られているため、「何を報連相・審議したいか」を事前に各担当から会議運営者に提出させ、会議運営者は時間配分をしレジュメを作成します。また資料を必要とする議題については担当者が資料を作成します。上記レジュメ・資料は人数分コピーをします。
  3. 相談・審議事項の周知
     相談・審議する事項のうち事前に所属員に考えてきてもらった方がよい場合についてはその情報を所属員に流します。
  4. 会議の開催
     レジュメ・議題資料を出席者に配布し、会議を行います。議決の取り方等は規則で定めておきます。
  5. 議事録作成・配布
     出席者の確認のため、また欠席者への周知のため、終了後にその会議で決まったこと・報告されたことを文章に起こして議事録を作ります。
      相談・審議事項の場合、結論に至るまでにどのような議論があったか、結論はどうなったかを明記します。この際に発言内容を一字一句書くのではなく、あくま で要点だけ書くことに注意します(発言者の名前も不要)。またレジュメや資料を見れば分かることは「資料参照」と書き、資料も併せて周知・保管するようにします。

 

会議効率化でできた時間を有効活用


「レジュメもなく議事の順番も分からない」「話す事を事前に整理しておらず、その場で考えながらも間違った情報を伝える」「思い出したように相談事をはじめるも、急に言われた出席者がその場で考え出し長引く」等、準備不足は会議出席者の時間を奪うことになってしまいます


 もちろん誤解してはならないのは、これは会議当日の自由な議論を妨げるものではありません。人が集まり話をすれば、その場で「そういえばこのことも決めなければならなかった」「こんなことやってみたらどうだろう」と新しい考えが出てきて盛り上がることもあり、これはむしろ歓迎されるべきものです。


 重要なのは「事前準備をしておき会議を効率化し、その効率化の結果で生み出すことができた時間を有効活用する」ことです。生み出せた時間を使って前述のように新しいアイデアを生み出すような議論をしてもいいですし、仮に会議が早く終われば練習時間に当てることもできるのです。

ストーリーと資料を作っておく


 議題提出者はどのような議論に持っていくかのイメージを事前に作っておきましょう。もちろん予想したストーリー通りに会議が進むとは限りませんが、まずは大元の筋書きがないと会議は動きません。「きっとみんなが意見を出してくれて結論に持っていってくれる」とは考えないほうがよいでしょう。


 また内容により資料を作っておきます。自分にとっては、話す内容を整理し、より効率的・効果的に伝えるにはどうすればよいか作戦を立てられますし、伝えモレの防止をすることもできます。また聞く側にとっては、話の全体像と要点がつかめ有用です。
 ただし、資料を一字一句読み上げるだけでは退屈なものとなり逆効果なので注意が必要です。資料を読みつつも時に自分の言葉で説明を加えると効果的です。

その他会議について

  • アイデア会議の仕方
    「定期演奏会のキャッチフレーズを考えたい」というような新しい発案を引き出すような会議の場合、そのやり方は通常の会議とは異なります。
     まずは事前にテーマを提示し各自案を考えてきてもらい、会議で自由に意見を出し合います。最初の段階ではまず大量の案を出してもらうことが重要です。そして次の段階でその案を絞り込み、最終的に一つの結論に収斂させていきます。
  • 資料への書き込み
     出席者は配布された資料に積極的に書き込みを行うようにします。その際、鉛筆ではなく色ペンで行うと後で見たときに分かりやすいですし、また自分のタスクがある場合は色ペンで強調しておくと忘れずにすみます。

 

タスク管理をする


 会議において各担当が実施すべき仕事(タスク)が明らかになったら、会議の議事録から「誰が」「いつまでに」「何を」しなければならないかタスクの抽出を行い、タスクの進行状況をお互い確認し合います


 例えば「施設係が」「今週中に」「来月の練習場所を予約する」というタスクの場合、施設係は実際に予約ができたら所属員に向け「報告」をします。もし報告が無くタスクが行われていないようだと判断した場合、施設係の面倒を見る立場の人(例えば「総務局長」)が確認を行います


 また、例えば「演奏会の映像を配布する」のように、特に期限が無いタスクの場合はどうしても実施が遅れてしまいがちです。この場合も面倒を見る立場の人が進行状況を逐次確認し、あえて締切を設定してみる等の対応をします。


 タスク管理の基本は「記憶でなく記録で」です。指示を受けてどこにもメモをしない人がいればその人は恐らくそのタスクを忘れます。手帳や携帯電話等にタスクを落としこませることが必要です。

●レジュメの例
1-05-1.doc
Microsoft Word 44.0 KB
●議事録の例
1-05-2.doc
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