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2017年10月1日(日)@OMMビル2階ABCホール

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第14章 吹奏楽界の諸問題

14-01. 楽譜の違法コピー

 

 色々な団体のハンコが押されている楽譜を手にしたことはありませんか。これは著作権の考え方を無視して「違法コピー」された可能性のある楽譜です。

 現在吹奏楽界において、著作権を無視した楽譜のコピーが問題となっています。ここで問題となっているのは学校・団体を越えた楽譜の貸し借り・コピーで、絶版となってしまった楽譜ならまだしも、通常に購入できる楽譜においてこのような事態が発生しています。

 

 吹奏楽活動には色々お金がかかるのは分かりますが、だからといって、楽譜を買わずに他の学校・団体から借りてコピーするという行為は問題が生じる場合が高くなります。「アマチュアだからいいだろう」は理由になりません。

 スクールバンドにおいてこういった行為をするのは、主として顧問の先生です。確かに、著作権法上では教育現場でのコピーは「例外」として認められていますが、では楽譜もコピーしていいのでしょうか。これは法解釈はともかく、モラルが欠如した行為と批判される可能性が高くなります。

 

 違法コピーをする前に、作曲者・編曲者・浄書担当者・出版社等の苦労を考えてみてください。一つの曲を作るのに、一体どれだけの時間がかかっていることでしょう。我々はそうした作曲者等の苦労に対して、しかるべき対価を支払わなければなりません。我々の楽譜を「買う」という行為により、作曲者等は生活していけるのです。

 楽譜を買うという行為は、スーパーで肉を買うとか、本屋で雑誌を買うというのと同じ行為です。その商品の持っている価値に対してお金を払うといった点では、楽譜も他の商品と同じなことであり、「この曲をやってみたい」と思って楽譜を買うのはごく当たり前のことなのです。

 お金が無いのであれば、裏方の楽典の会計編で述べるように団体会計の見直し・臨時徴収等により工面できるはずです。ぜひ、楽譜はちゃんと買いましょう。

 

 以上のような意識を顧問の先生を中心に団体全体が持つことは非常に重要です。自らが犯罪と見なされうる行為をしないことはもちろん、他団体から楽譜を貸して欲しいと依頼があった場合も(先生同士の上下関係などは関係無く)毅然とした態度で断るよう、お願いいたします。

 


14-02.JASRAC申請

 

 「非営利・無料・無報酬」で行う演奏会であれば必要ありませんが、ここから離れチケット代を取る演奏会や報酬を受ける営業演奏等の場合、演奏にあたり著作権関係の処理を行う必要があります。

 詳しくは裏方の楽典「3-03.曲を決め練習を進める」に述べているのでご覧いただき、適切な手続きを取ってください。「楽譜を購入すること」と同様、「演奏させていただくのに使用料を払うこと」も作曲者等に対する正当な対価として重要です。



14-03. 小編成バンドのあり方

 

 少子化が続き、小編成バンドで活動せざるをえないバンドも出てきています。しかし、小編成でも素晴らしい音楽を作ることはもちろんできます。古い例となってしまいますが、1996年、松本市立鎌田中学校がなんと「24人」で全国大会金賞を受賞しています。また1994年、広島市立宇品中学校も「33人」で全国大会金賞を受賞しました。2001年には、山梨県立桂高校がわずか「9人」という少人数で西関東大会金賞、東日本吹奏楽大会でも3位を受賞しています。2002年には、前出の鎌田中が「27人」で全国金賞を受賞したのをはじめ、数々の小編成バンドが高い評価を受けました。

 「ウチのバンドは人数が少ないから…」と人数のせいにするバンドがありますが、この事実を知ればそんなことは言っていられないでしょう。人数が少なくてもすばらしい音楽は作れるのです。また最近出場が認められてきた「合同バンド」という手もあります。少子化の今日、こういった精力的な小編成バンドが増えてくればいいなと思います。

 

 小編成バンドはまず選曲で苦労するかと思います。ここで注意してほしいのは、小編成バンドは無理に大編成の曲をやってはいけないというこ とです。少ない人数で大編成の曲をやると、必ず足りない声部がでてきてしまい、曲が成立しなくなります。小編成バンドのための曲も最近多くなってきている ので、自分のバンドの人数を考慮した選曲を心掛けてください。また、編曲の知識のある人がいれば、そのバンドの編成に合わせて曲を編曲するという手もあり ます。

 

 小編成バンドのメリットとして、音程が合わせやすいことがあります。ひとりひとりの奏者の能力が高ければ、大編成をしのぐ演奏も可能です。小編成だからこそできる音楽を目指して、がんばってください。

 


14-04. コンクールのあり方

 

 「音楽で勝ち負けを競うコンクールなんておかしい」という声があります。確かに「金賞を取るぞ」「打倒○○校!」というのは音楽の本質からは外れています。しかし「競争の原理」により、コンクールで競い合うことによって日本の吹奏楽は発展してきたということもあるでしょう。また良い賞をとらないと、学校からの予算が減らされるということもあります。コンクールを目的とせず、コンクールは数ある本番のひとつに過ぎないという見方ができればいいのですが、難しいものです。

 

 このコンクールの存在自体を疑問視する声は、バンドジャーナルでも取り上げられています。古くなりますが、BJ2003年1月号では、54ページの「コンクールとは何 か?(後藤洋)」、62ページからの「吹奏楽コンクール---審査員からの提言」などの記事で、この問題について取り上げられています。

 

 また、全国大会に3年連続出場した団体が次の年にコンクールに出場できないという「3出制度」についても議論があります。3出制度の主旨は「もっと多く のバンドに全国大会の道を広げたい」ということらしいのですが、特に毎年メンバーが入れ代わるスクールバンドの場合はつらいものがあります。

 


14-05. コンクールのカット

 

 コンクールをめぐる問題として取り上げられるもののひとつに「カット」の問題があります。そもそも、音楽において「カット」という概念自体おかしいもの で、カットなんて少なくともクラシックの世界ではあり得ないことでしょう。また、著作権の現存している曲をカットして演奏すると、著作権法上でその曲の「同一性の保持」に反することになるという意見もあります。いずれにせよ、作曲者はその曲のどの部分にも何らかの意味を持たせて作曲していて、カットして良い無駄な部分なんてものは存在しないはずです。

 しかし一日に何団体も演奏する吹奏楽のコンクールにおいては、どうしても制限時間を設けなければならず、カットはやむを得ない状況です。この「カット問題」も、これから引続き考えていかなければならない問題です。

 


14-06. コンクールの審査

 

 コンクールでは審査員が点をつけ賞が決定されますが、そもそも音楽を審査するというのは、絶対的な基準がないので難しいものです。そのため、毎年のコンクールでは「この審査結果はおかしいだろう」という意見がしょっちゅう出てきて、コンクールの審査方法の改善が議論されたりします。

 例えば、審査員に団体名を知らせずに聴いて評価してもらう「カーテン審査」をとるべきだという意見や、曲を聴いてその場で賞をつけてしまう方式をとるべきだという意見、「上下カット方式」や「審査員の人数」に対する意見などがあります。

 


14-07. コンクールのブラボー

 

 演奏が終わって、観客から「ブラボー!」と叫び声が上がるのは、もう全国大会の定番の光景となっています。本来は「素晴らしかった」とほめたたえる意味でのかけ声なのでしょうが、演奏した団体の関係者による「自作自演ブラボー」や、ただ叫びたいというだけの「目立ちたがりブラボー」なども見受けられま す。

 特にまずいのが、演奏終了後の残響が消える前にブラボーをかけることで、これはせっかくの演奏を台なしにしてしまうと、BJでも批判の声が上がっています。「いい演奏だった」という称賛の気持ちでブラボーをする場合は、せめて残響が消えてから行うようにしましょう。

 


14-08. コンクール・演奏会でのマナー

 

 コンクールや演奏会に行くと、マナーの悪い客がいるのを時折目にします。演奏中にも関わらず話をしていたり、携帯電話を操作していたりと、常識を疑う行為が散見されます。(特に携帯電話については「音が出てなきゃいいんでしょ」とメール操作などをしている人がいますが、こういった行為はステージ上からも 見えて、奏者は良い気持ちはしません)

 これが一般客ならまだしも、学生など吹奏楽関係者がマナー違反をしているのでは、同じ吹奏楽人として情けなくなってしまいます。ぜひ、部活動全体でコンクールや演奏会に行く時は、顧問や部長、上級生が率先して、こういったマナーを部員全員に徹底させたいものです。学校の部活動としての吹奏楽は「上手く演奏できればそれでおしまい」ではありません。最低限のマナーを守れるような人間育成を行うことは、部活動の大きな役割の一つでしょう。

 

 また、演奏を聴きにきている生徒の保護者のマナーの悪さも問題となることがあります。特にコンクールでは、自分の子供の演奏にしか興味を示さず、他の団体の演奏になるとマナー違反を始めるという保護者も中にはいます。顧問の先生から注意を促す等の対策が必要です。

 

14-09.スパルタすぎてモチベーション低下

 

 もはや意義を失った儀礼的・長時間に及ぶ基礎練習、運動科学に基づかない単なる「シゴキ」の手段としての「筋トレ」「ランニング」、大会が終わったのに一日の休みもない、生徒の発言権がまったく無い……など、スパルタすぎる団体は所属員のモチベーションを著しく低下させます。もちろん実績を残している団体は規律もしっかりしているように見えますが、それはむやみやたらと非科学的なシメツケによってのみ成り立っているものでは決してないはずです。

 

参考:吹奏楽部は「ブラック部活」なのか NHK「クロ現」きっかけに議論紛糾 2016/8/1放送のNHK「クローズアップ現代+」での問題提起

参考:[togetter]思春期外来に来る女子には吹奏楽部が多い?

 

14-10.生涯学習としての音楽

 

 団体の指導者に特に考えていただきたいのは「この子達は、卒業後も音楽を自分から楽しんでもらえるだろうか」という点です。コンクールに向けての 練習では、指導者の指示通りに演奏できる所属員が第一に求められる側面は確かにあります。しかしそれだけだと、卒業して指示してくれる人がいなくなると、 その人は音楽をやめてしまうでしょう。自発的に音楽を求めるようにするにはどうしたらいいか。コンクールだけではなく定演等の機会を活用するのがいいのか。 今一度考えてみる必要はあります。

 

 卒業して、必ずしも吹奏楽をずっと続ける場合ばかりではないでしょう。オケやバンドといった異なる道に進んだり、作曲の道に進んだり、リスナーとしての道を選んだり。そのいずれになっても、吹奏楽の活動で得たものを少しでも活かし、生涯に渡って音楽と付き合っていく、そのための素地を作るのが、特に教育機関における部活動としての吹奏楽の意義ではないでしょうか。